さっぽろの不動産屋さん ろんたいの備忘録

札幌で細々と不動産屋を営むおっさんの四方山話です。

MENU

高騰する札幌中古住宅市場 【レインズ 11月月例速報】

北海道の鈴木知事は、12月9日の道議会で新型コロナウイルスへの集中対策期間を、今月11日までから、およそ1カ月間再延長する方針を示しました。第3波の感染拡大と言われ、連日200人前後の感染者数が報告され医療体制のひっ迫も現実化が懸念されている北海道です。

11月7日から札幌ではすすきの地域での酒類販売や接待を伴う店舗への営業時間短縮要請が実施されています。そうした環境下で中古住宅市場も冷え込みも一部で予想されていましたが、実際には、果たしてどのような様相を示していたのでしょう?

f:id:rontai87016:20201213153357j:plain

内覧が寒くてきつい季節になりました


<レインズ 11月月例速報発表>

12月10日に、レインズの11月月例速報が発表になりました。毎月10日前後に発表となっている中古住宅市場の成約実績レポートです。ここは毎月決まり文句となっています。初めての読者のためのコーナーですから熱心な読者さんは、読み飛ばして頂いても結構です。

 「レインズ(REINS)」とは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。レインズについての説明は、下記リンクの過去記事に少し詳しく紹介しています。

今一度ご参照ください。

 

rontai87016.hatenablog.com

レインズには様々な機能がありますが、「月例速報マーケットウオッチ」では、中古住宅販売について、毎月当該月の翌月中に月例速報が発表されます。首都圏のデータが主なのですが、札幌市についても中古マンションおよび中古戸建の成約件数、成約価格などについてレポートされます。オフィシャルな札幌市の不動産の概況レポートというのはなかなかありませんので、毎月発表される都度このブログでもご紹介しています。下記リンクはレインズの公式ホームページの11月月例速報です。

ご興味のある方はリンク先も訪問してみてください。

http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202011_summary.pdf

 

<だから下がんないってば、札幌の中古住宅は「考えるな、買え」>

 札幌の中古マンションの成約件数は、11月は226件、前月比では▲26件と減っていますが、前年比では+18件と数を増やしています。昨年の単純平均成約数222件を超える成約数となっていますから、需要は堅調だといえるでしょう。

価格については、成約㎡単価、成約価格ともに前年同月と比較すると大幅に上昇しています。

中古戸建てについても、成約件数は118件、成約価格は2354万円と大幅に前年同月を上回っています。

札幌は、ほぼ100件の成約数が毎月報告されています。サンプル数が少ないため、個別要因が大きく平均値に影響しますので、傾向を語るには注意が必要です。

しかし、札幌の中古マンションは成約㎡単価で6カ月連続で前年同月比を上回り、中古戸建て住宅の成約価格も、9カ月連続で前年同月を上回っています。

2020年の札幌中古住宅市場は今のところ、何度も繰り返しこのコラムで主張した通り、「考えるな、買え」相場だったといえるでしょう。

 

f:id:rontai87016:20201213155207p:plain

 

 

 

<首都圏の11月市場 中古住宅成約数は好調を継続

 

f:id:rontai87016:20201213160844p:plain

首都圏の中古住宅市場は、日本の不動産市場動向の指標の一つとして、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の一都三県を首都圏として、市場動向の概略を、毎月チェックしています。11月も先月に引き続き絶好調です。昨年の消費増税による需要減退の影響はあるにせよ、需要自体の好調さはもはや否定できません。

中古マンションの成約件数は前年比+14%、11月としては歴代最多数を更新となっています。中古戸建住宅も、11月としては歴代最高の1303件、前年同月比23.6%、成約価格も3239万円と前年平均を127万円も上回っています。

 

<供給サイド側から見た札幌の中古住宅市場>

 このブログで、【レインズ10月月例速報】の解説をした際に、以下の仮説を述べました。「今後もうしばらくは、実需といわれる実際に住むことを目的にした中古住宅の購入は、取引件数も増えるため、価格も堅調に推移するのではないでしょうか

この仮説は、主に購入側からみて中古住宅への需要は高くなっている、という論旨で展開したものです。

rontai87016.hatenablog.com

 

 

 

一方で、現実に札幌の中古市場の売買に携わって感じるのは、まず「程度の良い中古住宅の在庫が少ない」という事です。特に戸建ての在庫が少ないです。まあ、当たり前っていえば当たり前ですね。立地の良い、間取に不自然さが無い、築年もさほど経ていない、適度な広さの戸建てであれば、通常、よほどの事情が無い限り、所有者やその親族がそのまま住み続けますよね(笑)

 

 

築年数が古いと、マンションの場合はリフォーム・リノベーションが前提となりますが、戸建ての場合は解体・撤去によって更地渡しという選択肢があるため、中古住宅のまま、売買という事例はさらに減りがちです。昨今の一棟マンション投資ブームにより、立地の良い戸建てほど更地化され賃貸マンションとされてきたことも、その傾向に拍車をかけてきました。

そうしたことを踏まえると、程度の良い中古戸建ての供給は、今後も大きく増えることは想定できません。札幌でも希少価値は上がり続けるとみています。

ちょうど、筆者の年代は、介護、子供の独立、相続、濡れ落ち葉離婚、テレワーク、定年・出向、などなど、親や本人の住宅事情について、今一度考え直す時期に差し掛かっているのかもしれません。

もし、そんな問題を抱えているのなら是非一度ご相談ください。

 

「考えるな、売れ」(笑)

 

以上