【『メジャーセブン』とは? 新築マンションを語るうえで知らないわけにはいかない!】
今日の札幌は、超いい天気。お昼の大通公園は18℃を超え、ぽかぽか陽気のお散歩日和でした。午後からお得意様を訪問する予定があったので、お昼には徒歩で事務所を出発、ぐるりと都心部を一回りです。コロナ騒ぎさえ無ければちょうどライラック祭りが行われている時期で、札幌はライラックの香りに満ちている鮮やかな季節です。
まさに、百花繚乱の街並みです。「あい らぶ❤ さっぽろ!」 です。あまりに綺麗なので、埼玉の姉にまでメールで写真を送ってしまいました。
そんな、綺麗な街並みの札幌ですが、今日の新規感染者は2人、北海道は緊急事態宣言解除とはならず、私にはまだ特別定額給付金の申請書も届きません。一所懸命、目の前の仕事を頑張るしかありませんね。
<『メジャーセブン』とは何のこと?>
私は、20数年間石油元売会社に勤務した後に、不動産屋として自営業を営んでおりますが、なんせ零細企業でございますから口を糊するために5年ほど前からコラム記事を執筆する内職も手掛けています。最近では記名記事の依頼もちらほら受けるようになりました。つい、最近もアフターコロナ時代の不動産市場動向についての記事依頼を受けたところです。そこでその記事のためにも直近のマーケットについていくつか確認をしている時に、ふと思い出したことがありました。
「そういや『メジャーセブン』って初めて聞いた時には、『メジャーのセブンシスターズのこと?』って思ったよな」
石油業界に身を置いていた人間にとっては、メジャーとは国際石油資本のことを指すというのは半ば常識です。国際石油資本とは、資本力と政治力で、石油の探鉱(採掘)から生産、輸送、精製、販売までを一手に行い、第二次世界大戦後から1970年代まで、国際的なシェアの大部分を独占していた石油企業複合体のことを指します。
1975年に、アンソニー・サンプソンが著した「セブン・シスターズ」で世界的に有名になりました。
当初のセブン・シスターズは以下の7つの企業です。
1 スタンダードオイルニュージャージー
(後のエッソ石油、その後1999年にモービルと合併しエクソンモービル)
2 ロイヤル・ダッチ・シェル(オランダ60%、英国40% )
3 アングロペルシャ石油会社(後のBP)
4 スタンダードオイルニューヨーク
(後のモービル、その後1999年にエクソンと合併してエクソンモービル)
5 スタンダードオイルカリフォルニア(後のシェブロン)
6 ガルフ石油(後のシェブロン、一部はBP)
7 テキサコ(後のシェブロン)
1960年にペルシャ湾岸諸国によりOPECが結成され、1970年代に入ると、反欧米の風潮が産油国に広まります。メジャー支配脱却を狙っていた産油国は、次々と石油開発への経営参加、国有化を推進し、1972年にはアルジェリアの油田が国有化され、リビアもBPが所有していた油田を国有化しました。1976年、サウジアラビアでの原油採掘を独占してきたアラムコの大株主であった、エクソン、モービル、テキサコ、シェブロンの4社はサウジアラビア政府に株式を譲渡し、これをもって、セブン・シスターズによる石油支配は終わりを告げたといわれています。
そして、石油メジャーのセブン・シスターズに関するこの蘊蓄は、全く『メジャーセブン』には関係ありません。
◆『メジャーセブン』とは
メジャーセブンとは、日本の新築マンションの開発業者(デベロッパーといいます)の大手7社の総称であり、その7社が提携して共同運営する新築マンションのポータルサイトを指すものでもあります。
メジャーセブンは以下の7社で構成され、サイトは2000年4月から運営されています。
住友不動産株式会社、株式会社大京、東急不動産株式会社、東京建物株式会社、野村不動産株式会社、三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス株式会社
2019年のメジャーセブンによる全国の新築分譲マンションは、合計19,398戸となります。これは、全国の民間マンション戸数70,660戸のうち、約27.5%を占めています。。
特に首都圏では、2019年のメジャーセブンのシェアは約44%にも上ります。
2007年まではメジャーセブンの供給戸数も減っており、シェアも下がり続けています。当時はバブル崩壊後に、新興のデベロッパーによる新築マンションの供給が増加していました。しかし、2008年のリーマンショックにより、財務体質がぜい弱であった新興のデベロッパーの破綻が相次ぎました。そのため、新築マンションの供給量自体はリーマンショック以前よりは少なくなったものの、財政余力のあるメジャーセブンのシェアが10年近く40%台を保っており、安定的な地位を占めています。
(メジャーセブン HPより参照)
北海道においても、メジャーセブンの影響力は大きなものといえます。現在(2020年)の北海道におけるメジャーセブンによる新築マンションは、札幌市中央区が8棟、東区が1棟となっており、どれも一級の立地に建設(予定)される高級マンションで、それぞれのデベロッパーのランドマークとなりうる企画となっています。
メジャーセブンによるマンションのコンセプトの傾向や、価格帯、販売動向などを把握することで、マンション販売の傾向を予測することも可能といわれており、不動産市場の分析にも重要な役割を果たしています。メジャーセブンを知ることは、新築マンションの販売を知ることです。まさに、新築マンションを語るうえで知らないわけにはいかない、といえるでしょう。
以上