さっぽろの不動産屋さん ろんたいの備忘録

札幌で細々と不動産屋を営むおっさんの四方山話です。

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あれだけ大騒ぎしたのに、12月の速報値は間違いだと?札幌中古住宅市場 【レインズ 1月月例速報】

 

2月13日(土)23時8分頃、福島沖で震度6強地震がありました。札幌の我が家では、なんとなく「揺れている?」くらいの体感でしたが、ネットのニュース速報では、関東・東北地方で停電や物的・人的被害もあったようです。

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写真は共同通信のネット配信記事から引用しました。


復旧作業に携わる皆様の不断の努力に感謝申し上げるとともに、停電による被害や、火災など二次災害が起こらずに、一刻も早い復旧が為されることを、心よりお祈り申し上げます。


<レインズ 1月月例速報発表>

2月10日に、レインズの2021年1月月例速報が発表になりました。毎月10日前後に発表となっている中古住宅市場の成約実績レポートです。ここは毎月決まり文句となっています。初めての読者のためのコーナーですから熱心な読者さんは、読み飛ばして頂いても結構です。

 「レインズ(REINS)」とは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。レインズについての説明は、下記リンクの過去記事に少し詳しく紹介しています。

今一度ご参照ください。

 

rontai87016.hatenablog.com

レインズには様々な機能がありますが、「月例速報マーケットウオッチ」では、中古住宅販売について、毎月当該月の翌月中に月例速報が発表されます。首都圏のデータが主なのですが、札幌市についても中古マンションおよび中古戸建の成約件数、成約価格などについてレポートされます。オフィシャルな札幌市の不動産の概況レポートというのはなかなかありませんので、毎月発表される都度このブログでもご紹介しています。

下記リンクはレインズの公式ホームページの1月月例速報です。

ご興味のある方はリンク先も訪問してみてください。

http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202101_summary.pdf

 

 

<前回は成約件数が激減!え?速報値が間違い?札幌の中古住宅市場>

先月は、成約数が大幅減という事で、このブログでも、いよいよ札幌の中古市場も大きな変化を迎えるのか、と注目しました。

札幌の中古マンションの成約件数は、12月は122件、前月比では▲104件とほぼ半減、前年同月比でも▲33.7%と大幅減を記録しました。~中略~中古戸建てについても~中略~成約件数は58件、前月比▲60件、前年同月比▲54.3%とやはり大幅に減少しています。~中略~そうした実需を追求できる世帯の絶対数が、コロナの感染拡大第三波のために減少してしまったということです。」

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東日本レインズ 2021年2月10日付 お詫びの手紙より抜粋

しかし、その仮説の前提である、「大幅な減少」はレインズの集計ミスだということでした。「なんだよ?それ」って感じですよね。12月の本当の実績は、1月の実績とともに発表されました。

12月の成約件数は、マンションで122件→163件、戸建てで58件→92件と大幅に上昇修正されました。修正後の件数でも、前年比では減少となっていますが、札幌の年末のコロナ第三波への懸念と急激な寒波・大雪の襲来による外出控えを考慮すると、ある程度の成約件数の減少は予想されうるものといえます。市場の構造変化が起きたような大規模な分岐点であったと決めつけるにはまだ早く、1月~2月の動向を見極めなければならないレベルの減少幅だったと判断できます。

 

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 実際に、1月の成約件数は、中古マンションは前年比+31.3%と大幅増、戸建ても前年比+2.4%増と昨年並みの水準に戻っています。昨年後半の需要増の勢いは落ち着いたものの、需要の好調さは依然保たれているとみる方が自然だと思われます。

 

<首都圏の1月市場 コロナ禍でも、中古市場は絶好調

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首都圏の成約数は1月としては過去最高!

首都圏の中古住宅市場は、日本の不動産市場動向の指標の一つとして、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の一都三県を首都圏として、市場動向の概略を、毎月チェックしています。

 

札幌と同様に12月の成約数は減少傾向でしたが、1月は中古マンション・戸建て共に、1月としては過去最高の成約件数を記録しました。価格についても、中古マンション・戸建て共に、前年より大幅な上昇を示しています。

 

<コロナ不安で一瞬縮小した需要も1月に入り再び拡大、価格も上昇傾向が続く>

 このブログでは、①「今後もうしばらくは、実需といわれる実際に住むことを目的にした中古住宅の購入は、取引件数も増える」という仮説を唱えてきています。

ステイホームの必要性の増大による快適性の追求と、家計の先行き不安と低金利によるローンの低負担から、家賃を払い続けるより資産性の高い持ち家志向が強まっているということを、その理由としてきています。

しかし前回のブログでは、札幌ではこの仮説はもう成り立たないのでは、としました。12月の大幅な成約件数減がその根拠でした。実需を追求できる世帯の絶対数が、コロナの感染拡大第三波のために減少してしまったのではないか、という新たな仮説を立てる時期ではないか、と述べました。

しかし、その根拠である12月の成約数が上方修正されたことから、まだ中古市場の傾向に明確に変化が現れたとはいえない、と改めて修正させて頂きたいと思います。

中古住宅市場の指標である成約数、成約価格は、1月はともに上昇しています。コロナの新規感染者数は縮小に転じ、ワクチンへの期待も高まっています。

政府の支援策も期間の延長などが発表されており、株価もバブル期以来の高値を更新しています。

実体経済の減速を予想する向きも多く、脆弱な基盤であることは間違いないとはいえますが、札幌中古住宅市場は引き続き堅調に推移することが予測されるでしょう。

以上