さっぽろの不動産屋さん ろんたいの備忘録

札幌で細々と不動産屋を営むおっさんの四方山話です。

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マンション相場は活況! 戸建ては成約件数減少 札幌中古住宅市場 【レインズ 3月月例速報】

 

3月-4月、本業の方は割とパタパタと契約や決済があり、細々ながら、なんとか今年も食っていけそうかな的な年度の滑り出しになりました。昨日は確定申告の戻り金の通知も届き、ちょっと儲かったような錯覚にも陥ってしまっています。長男夫婦や次男に、そろそろ今年も予約受付の始まった夕張メロンの送付手配でもしようか、などと贅沢な思いに駆られています。

札幌も梅や桜がいよいよ開花、華やかな季節が始まります。コロナの第3次緊急事態宣言が発令され、観光業・飲食業はじめ大きな打撃が来ることが予想されますが、必ず春は来ます。そう信じて前向きに生きていきたい気分です。

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円山公園の桜 by 「なんちゃって登山部隊長」の作品

<レインズ 3月月例速報発表>

4月12日に、レインズの2021年3月月例速報が発表になりました。毎月10日前後に発表となっている中古住宅市場の成約実績レポートです。ここは毎月決まり文句となっています。初めての読者のためのコーナーですから熱心な読者さんは、読み飛ばして頂いても結構です。

 「レインズ(REINS)」とは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。レインズについての説明は、下記リンクの過去記事に少し詳しく紹介しています。

今一度ご参照ください。

 

rontai87016.hatenablog.com

レインズには様々な機能がありますが、「月例速報マーケットウオッチ」では、中古住宅販売について、毎月当該月の翌月中に月例速報が発表されます。首都圏のデータが主なのですが、札幌市についても中古マンションおよび中古戸建の成約件数、成約価格などについてレポートされます。オフィシャルな札幌市の不動産の概況レポートというのはなかなかありませんので、毎月発表される都度このブログでもご紹介しています。

 

 

<成約件数はマンションは増加、戸建ては減少・・・札幌の中古住宅市場>

 先月のレインズ速報では、2月の成約件数が中古マンション・戸建て共に減少しており今後の推移に注目していきたいと述べました。3月の成約件数を確認してみましょう。 

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札幌 レインズ3月速報値より(筆者作成)

3月の中古マンション取引は、成約数で266件、前年比では+18.2%となりました。前月比でも+54件、コロナによる影響がなかった2019年の年間平均と比較しても+44件と大幅に成約件数は増加しています。成約価格についても、前年比+144万円、前年年間平均比で+119万円と依然上昇傾向にあることを示しています。

札幌の中古マンション相場は、取引も活況で相場も上昇傾向が継続しているとみてよいでしょう。

一方で、戸建ての取引数は、減少しています。札幌の戸建ての成約件数は、最近の2年間は、ほぼ100件/月が報告されています。それが4ヵ月連続で100件を割り込んでいます。首都圏の戸建ては、次に述べますが絶好調という様相なので、札幌に特有の状況だといえるでしょう。

 

<首都圏は相場上昇、成約件数はマンション・戸建てともに過去最高!>

それでは首都圏の状況をみてみましょう。簡単にいうとレインズ発足の1990年以来過去最高です。

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首都圏 レインズ3月速報値より(筆者作成)


中古マンションの成約件数は、4228件と過去最高となっています。また価格も3837万円と前年に比べて+348万円、10カ月連続で前年同月を上回っています。

中古戸建ても、成約件数は1629件で過去最高9カ月連続で前年同月を上回っています。価格も前年比+372万円と、まさに絶好調といってよいでしょう。

 

<札幌の戸建てが不調なのはなぜ?(先月に続き)>

中古住宅市場が好調になる理由は、このコラムで何度も(先月も)書いたので、省きます。なんなら先月のレインズ速報に関するコラムを読んでください。

 

rontai87016.hatenablog.com

 札幌の中古戸建てが不調なのは、やっぱり気になります。

12月から4カ月間連続で成約数が前年割れです。冬場で雪が積もる時期は、どうしても札幌の戸建ての見映えは良くないので売りづらい時期なので、成約件数も減りがちです。しかし、前年同月も同じ条件ですので、前年と比較して不調という理由にはなりません。

筆者としては、中古戸建て市場において、市場そのものが縮小している、という先月の記事で述べた仮説を検証しようと思っています。今は人口の停滞に伴い、都心回帰がブームとなっています。しかし、都心部の戸建て供給は新築も中古も限られており、価格も高いため、取引そのものが沈静化してしまっている状況ではないかという事です。六本木が人気だからといって戸建ては六本木にないよね、という事です。こ札幌市での戸建て需要は都心部の人気は高いが、供給数が少ないため、取引数の減少は止まらない、というのが私の仮説です。

来月以降は、昨年の4-6月はコロナの第一次緊急事態宣言が発令した時期ですので、前年比では取引数は増加していることが予想されます。札幌の戸建ての在庫や販売数、成約数などのデータを探して、前年比に囚われないで本質を見る分析をしてみたいと思っています。

 

 

以上