さっぽろの不動産屋さん ろんたいの備忘録

札幌で細々と不動産屋を営むおっさんの四方山話です。

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やっぱり下がってないじゃん! 札幌の中古住宅最新トレンド【レインズ 7月月例速報】

 本日(2020年8月18日)、お盆も明けた札幌は曇り。従来ならば風が涼しくなったという時期ですが、今年はまだまだ夏。気温は29℃とちょっと蒸し暑い天気です。まあ、浜松辺りでは今日も40℃近い気温とのことですから、それに比べると、過ごしやすいとは思います。午前中は、入居者が決まった管理会社さんに契約書を引き取りに行ったのですが、大通公園を1丁目から11丁目まで歩いていったので汗だくになりました。コロナの感染による死者よりも熱中症による死者の方が多いといわれています。水分の補給には留意しないといけませんね。

写真は札幌の街中で咲いていた向日葵。夏も盛のようですが、札幌の場合はあっという間にストーブが恋しくなる季節がやってきます。

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<レインズ 7月月例速報発表>

さて、今週の8月17日に、レインズの7月月例速報が発表になりました。毎月10日前後に発表となるのですが、今月はレインズもお盆休み?システムメンテナンスで閲覧もできず、再開が17日だったので、いつもより遅くに発表になっています。

 「レインズ(REINS)」とは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。レインズについての説明は、下記リンクの過去記事に少し詳しく紹介していますので、チェックしてみてください。

 

rontai87016.hatenablog.com

ここは、毎月の決まり文句です(笑)。

レインズには様々な機能がありますが、「月例速報マーケットウオッチ」では、中古住宅販売について、毎月当該月の翌月中に月例速報が発表されます。首都圏のデータが主なのですが、札幌市についても中古マンションおよび中古戸建の成約件数、成約価格などについてレポートされます。オフィシャルな札幌市の不動産の概況レポートというのはなかなかありませんので、毎月発表される都度このブログでもご紹介しています。下記リンクはレインズの公式ホームページの7月の月例速報です。

http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202007_summary.pdf

 

<やっぱり価格は下がらない 札幌の中古住宅>

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札幌の中古マンションの成約件数は、7月は224件、前年比+0.4%と、3月から4カ月連続で前年比を割り込んでいた減少傾向がようやく下げ止まった形となっています。成約の絶対数も200件台に回復しています。しかしこの数字は、踊り場となり再び減少するのか、上昇に転じるのかは今後の状況を注視する必要があります。宿泊・飲食関連の景気回復が望めない現状では、あまり期待できないと私は予測しています。

 

価格については、成約㎡単価は、前年同月比、前年平均値、先月比、全て上昇しています。成約価格がほぼ横ばいで若干下がっているのは成約したマンションの広さ平均が昨年に比して若干狭くなってしまっただけ、と考えれば、少なくとも価格の値下がり傾向は認められないといってよいのではないでしょうか?

8月については、成約件数は従来に増して少ないことが予測されます。最近、東京など首都圏や大都市圏、沖縄で急激に増加している感染者数や、キャバクラ・ホストクラブ・昼カラなどでのクラスターの発生により、住宅の購買のために出かけるという行動が、再び抑制されてしまうことが予想されるからです。価格については、引き続き、売り急ぐ動きは、潤沢な金融機関の融資や政府の支援策により押さえられるでしょう。したがって価格が下がることも予想できないといえるでしょう。

札幌の中古戸建について、成約件数は118件と前月よりは20件増加していますが、前年割れとなっています。ほぼ100件前後の成約数が毎月報告されており、札幌の中古戸建についてはサンプル数が少ないため、個別の事情が与える影響が普遍的な要因よりも大きいのではないか、と考えています。但し、成約件数は減少となっていますが、成約価格は先月に引き続き上昇していますから、少なくても値下げ傾向ということを読み取ることができるデータは、見当たりません。

不動産評論家の多くが予測した、不景気による可処分所得の低下に伴う不動産資産の売却増や、テレワークの推進による都心回避の動きを原因とした都心部マンションの下落などという現象も、少なくとも今のところは、大きな流れになるには至らなかったといえるでしょう。

今後も劇的な価格の下落や上昇といった現象はしばらくは起きないであろうと予測しています。

 

<首都圏の7月市場 中古マンションの価格は回復傾向が鮮明!>

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首都圏の中古住宅市場は、日本の不動産市場動向の指標の一つとして、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の一都三県を首都圏として、市場動向の概略を、毎月チェックしています。

中古マンションの成約件数は前年比▲ 2.4%と、微減ではありますが、6月以前に比べると、より鮮明に回復を表しています。成約㎡単価についても、前年比で増加し、昨年平均を超えています。成約価格についても上昇しています。首都圏については、はっきり中古住宅マンション市場は下落していない、といえます。

首都圏の中古戸建も、成約件数はついに増加に転じています。成約価格は微減ですが、はっきり回復傾向にあるといえるでしょう。

 

<暴落評論家の需要が尽きない理由>

多くの不動産評論家が、不動産価格が下がるといい続けていますが、現時点では、一向に事実にはなっていません。根拠に乏しい推論にすぎないことが明白になってきました。冷静に考えれば、金融機関が痛んでおらず、政府や金融機関がじゃぶじゃぶ補助や助成金を出していて、しかもコロナの為に実体の消費そのものが抑制されている状況で、投資商品にお金が向かうのは必然です。宿泊や飲食用の不動産はともかく、リスクの少ない住宅用・物流用途の不動産が下がる理由は少ないといえるでしょう。

ことごとく外れる予言を評論家がしつこく言い続けるのは、単に、「不動産価格が下がるという事に対する需要が大きい」ことがその理由です。

不動産はますます高くなる、と言って喜ぶのは既得権者だけです。下がる・暴落すると言って喜ぶのは低所得や与信がつかなくて一生買えそうもない人や、他人の不幸を喜ぶ人です。そういう人の方が多いため、暴落するという方が評判が上がるだけなのです。実際には、事実にならない予測を後生大事にする人は、ますます不動産を購入してメリットを享受するチャンスを逃してしまいます。すると、ますます暴落を予言する人を好むようになります。なかなかよくできたビジネスモデルです。暴落評論家の需要は当分安泰だということでしょう。

以上