さっぽろの不動産屋さん ろんたいの備忘録

札幌で細々と不動産屋を営むおっさんの四方山話です。

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札幌の住宅価格は下がるどころか上がっているぞ!? 【レインズ 9月月例速報】

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秋の大通公園

さっぽろは、すっかり秋の彩りです。ついこの間までは暑い暑いと言っていたのに、朝は寒くてこっそりストーブを焚き始めています。大通公園も紅葉が美しい季節となりました。

このブログも、さぼっている意識すらなかったのですが、いつの間にか一カ月近く更新をしていないという体たらくです。それでも、ダイエットもNHKの基礎英語も続かない三日坊主体質のわりに、こうして思い出して書き始めているだけ偉いと思います。50歳を超えてもまだ「伸びしろしかない、褒められてこそ伸びる」と甘えたことを吐かすモラトリアム爺です。


<レインズ 9月月例速報発表>

先週10月12日に、レインズの9月月例速報が発表になりました。毎月10日前後に発表となっている中古住宅市場の成約実績レポートです。もう10日以上経っているのに何が速報だ、とか怒らないでください。人は怒るな、叱るのです。

 「レインズ(REINS)」とは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。レインズについての説明は、下記リンクの過去記事に少し詳しく紹介していますので、チェックしてみてください。

 

rontai87016.hatenablog.com

ここは、毎月の決まり文句です(笑)。

レインズには様々な機能がありますが、「月例速報マーケットウオッチ」では、中古住宅販売について、毎月当該月の翌月中に月例速報が発表されます。首都圏のデータが主なのですが、札幌市についても中古マンションおよび中古戸建の成約件数、成約価格などについてレポートされます。オフィシャルな札幌市の不動産の概況レポートというのはなかなかありませんので、毎月発表される都度このブログでもご紹介しています。下記リンクはレインズの公式ホームページの9月月例速報です。

http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202009_summary.pdf

 

<さっぽろは、マンションも戸建ても価格が上昇!>

 札幌の中古マンションの成約件数は、9月は199件、前年比では▲82件と大幅に件数を減らしています。例年9月は、10月に人事異動や新学期などの節目を迎えるため需要期を迎えるのが常なのですが、今年はコロナの影響が出ているのかもしれません。前月比では▲8件とほぼ横ばいですから、購入意欲が著しく減退しているとまでは言えないようです。しかし、収入や勤務状況にあまり変化のない世帯では従来通り購入意欲は旺盛であるが、企業は住居の移転を伴う異動を控えたり、冬のボーナスなどの収入減が示唆されていたりしており、徐々に需要に影響を与えているという悲観的な見方も可能です。10月以降の需給状況は注視する必要がありそうです。

 

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価格については、成約㎡単価、成約価格ともに前年同月と比較すると2カ月連続で上昇しています。しかし前月や昨年度の単純平均と比較しても、成約㎡単価で1万円以上、成約価格で100万円以上も高くなっています。こうした点から、中古マンション価格は上昇トレンドにあるといっても良いでしょう。

先月は、このブログで、売り急ぐ動きは潤沢な金融機関の融資や政府の支援策により押さえられ、価格が下がることは予想できない、と予想しました。しかし、価格は上昇トレンドになってきています。体感的には10月も価格が下がっている気配は皆無です。しかし統計値として、10月以降もこの傾向が続くのか、成約数に懸念されるように悲観的な予想がマーケットを支配していくのかは、引き続き注目していく必要があるでしょう。

 札幌の中古戸建について、成約件数は115件と前月より8件増加していますが、前年同期比では3.4%減となっています。ほぼ100件前後の成約数が毎月報告されています。札幌はサンプル数が少ないため、個別要因が大きく平均値に影響しますので、傾向を語るには注意が必要です。

価格も2269万円と前年同月を+278万円と大幅に上回ります。5カ月連続で前年同月を200万円以上上回っていますので、戸建て価格の上昇傾向は、はっきり継続中と言ってよいでしょう。

「札幌の中古住宅の価格は、上昇傾向継続中」以上です。

 

<首都圏の8月市場 中古マンション市場は回復・上昇が明確に>

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首都圏の中古住宅市場は、日本の不動産市場動向の指標の一つとして、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の一都三県を首都圏として、市場動向の概略を、毎月チェックしています。

中古マンションの成約件数は前年比▲7.3%と減少していますが、6月以降3000件以上の成約を継続しており市場は回復しているといってよいでしょう。成約㎡単価についても、前年比で+2.19万円増加し前年平均も2万円以上増加しています。成約価格についても前年比230万円の上昇です。首都圏についても、札幌と同様に、中古住宅マンション市場の価格は上昇傾向にある、といえます。

中古戸建についても、成約件数、成約価格はともに増加しています。先月に引き続き、はっきり回復・上昇傾向にあるといえるでしょう。

 

<11月以降のコロナ禍の影響と経済対策が今後の焦点>

中古マンション・中古住宅市場においては、心配された(期待された?)価格の急落はここまで起きておらず、9月については価格はむしろはっきりした上昇傾向にあるといえるでしょう。

日本の総理大臣の後退による経済回復期待などもそうした価格動向にプラスに寄与したのかもしれません。

しかし、これから気候が厳しくなる冬を迎えます。コロナが欧州で再び猛威を振るい始めているという情報もあります。新たな経済への影響がどの程度あるのか、有効な経済対策は施されるのか、予断が許されない状況は今後も続くことでしょう。私たちも冷静に対応していく必要があります。

 

以上